―第一章 朔詠閉話― Ⅱ

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「そうですね。でも一説にはジャック・ザ・リッパーはヴァンパイアだったと言われているんですよ。  それにその殺された遺体すべて首と腕が切られた上半身しか発見されてないんです。  だから、現代の切り裂きジャックなんて言われてるんですね」 「趣味悪ぃな……その野郎……」 「それにしても心配です。犠牲者全員が美羽様の学校の学生だなんて……」  『ゾクン』と……血の気が退く音がした。  世界が急に『グルン』と一回転する。  思わず、頭を押さえてしまう。  それに気付きミアが話しかけてくるが声など理解できる状態ではない。  美羽が何故……ということもあるが、人生やら運命ってのは面白可笑しく、谷あり山ありの道筋だ。親友の妹が危ないのに……  オレハコンナ所デノンキ二寝テイテ良イノカ?  そんな訳が無い。  どうやら、俺はまたすぐ立ち上がらなくてはいけないようだ。
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