ー第一章 朔詠閉話― Ⅲ

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 やると決めたら、行動しか選択肢は無い。  私はベリーを呼び出し、学園探索に切り出した。  こと、魔術に関してはベリーと私は既に教師のレベルを遥かに上回っている。  『虎穴に入らずんば虎児を得ず』。そう自分に言い聞かして学園の中に入る。  鍵は教師から何故かベリーが管理を預かっている。それほど信頼されているのか、もしくは……考えないで置こう。  私とベリーだけの足音が『コツ、コツ、コツ』、と反響する。  それは不気味な音だ。  私は霊や精霊などを信じている。  職業柄だと割り切ってもいるし、魔術師が幽霊や妖精を信じないなんて場違いだと思う。  その点、ベリーは非科学的な事を信じない。  それは―――物凄く矛盾だ。  第一に自ら使っている魔法が非科学的ではないか。 「余計な事を考えてないで少しは犯人を考えたら?」 「なんで、私の考えが読めるのよ……」 「なんとなくよ。美羽って解りやすいから」  『にやり』と小悪魔的笑いを浮かべる。  本当にこのロリ娘は高校生なのだろうか? そもそも、中学生も危うい。
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