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何も無い。何も無いはずなのに体は引き返せと警告をならす。
自分の鼓動が『ドクン、ドクン』と聞こえる。
息を殺し、自分と言う存在を出来る限り薄めて気配を消す。
「やるわね……。
魔法の学園に騎士団が乗り込んで来るなんて……私達が追っているのはよっぽどの大物らしいわ」
「数にして……6って所ね……」
ベリーの手の甲に氷の鋭い、三本の獣に似た純粋に敵を殺す爪が造られていく。
この戦いは殺らなければ、殺られる。
相手はプロの存外殺し、その上に私達の命を狙っていると言うのなら、それは―――全力で敵を殺さなければならない、何故なら迷った瞬間に死を迎えるから……
焔を手に宿す。
『轟々』と相手を葬り去ろうと咆哮を挙げる。
「その身……天使に抱かれて逝きなさい」
絶対零度。瞬間にして死の冷気が全てを抱く。
「全て薙ぎ払って差し上げます」
無限熱量。刹那にして死の熱気が全てを消す。
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