ー第一章 朔詠閉話ー Ⅰ

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ー第一章 朔詠閉話ー Ⅰ

 嗚呼、俺は死んだのか。  それがただ一つ俺が感じた感情だった。  勝った。勝っていたはず。俺には俺が勝つ未来が視えていた。  それで負けたと言うならば、それは―――俺がこの眼を使いこなせていなかった、と言う事実。  そして感じた。  嗚呼、死トイウノハコンナニモナニモ……何モ無イノカ。  虚無。  ソレガ『死』トイウ恐怖ソノモノダト理解デキタ。  これは閉幕の物語だ。終りとは常に始まりに繋がり、始まりとは終りの後にやってくる。表裏一体の矛盾。これこそが世界の理だと言わんばかりの傲慢さ。  天地開闢の歴史は一旦終局を向かえ、俺は夜明けを視る為に俺の物語と歩き続ける。  ―――俺にマヤカシは通用しない。さぁ、真(まこと)の現を俺に視せてくれ!
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