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清廉と澄んでるはずの夜の空気が
視界の色彩と共にぬめっているような錯覚。
身動きに支障を感じるようなそれは僕が緊張しているからだろうか
かまうものか。
僕の中のあらゆる感情は振り切れていた
あらゆる最悪のパターンを脳裏で想定しながらも
真相に辿り着きたいのだ。
知ってしまうことを惜しく思いながら。
素足のまま窓から庭に下りると一直線に音の元に歩き出す
高揚する全ての中で足の裏の土の感触だけが冴えている。
何故だろうか、相手が潜んでる感じがしないせいだろうか
僕も忍び寄るという事はしなかった。
ただ引き攣るようにもどかしく思った。
一歩一歩がもう既に遅く感じてならなかった。
そして、
知ってしまった時僕は後悔しなかった。
新しく積み上がるものの性質が理解できないというだけで。
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