絶対君を守ってみせる!

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  るんたったー♪ るーんたったー♪ 俺はスキップをしながら、六限目の体育の場所である、運動場に向かっていた。 隣にいる蒼は、そんな俺を気にせず歩いている。 今の俺は、頗る機嫌が良い。 何故なら、あの渡辺さんとちょっとした進展があったのだ! そ・れ・はー。 そう!おかずの交換! あ、弁当のね。 俺がー、 『渡辺さんのべんとーって、いつも美味そうだよなー』 って何と無く言ったわけよ。 そしたらー、 『…香山先輩は、いつも菓子パンですね』 『え?ああ、朝作んのめんどいしさ』 『母親は?』 『…んー…働いてるから、そんな暇無いんだよ』 『そうなんですか。 …卵焼き、いります?』 『えっ!いいの!?』 『そのパン一口貰いますけどね』 『わーい!』 と、いうわけなんだよ! あーん、はしてくれなかったけどさ、卵焼き美味かったし、まさか渡辺さんが交換してくれるなんて思ってなかったし? それに…ちょっとだけ、笑ってた。 …可愛かった、かも。 ぼーっと空を見上げながら、その時の渡辺さんの顔を思い出す。 たかが卵焼き一つではしゃぐ俺を見て、ちょっとだけだけど、笑ったんだ。 もっと見たいって、思った。 やっぱ女の子は笑顔が一番かわいーんだよなー。 「…優、間抜けな顔してる」 「あっはー!俺がそんな顔するわけねーじゃん!俺はいつでもイケメン!」 「ううん。今の、幸せそうな顔だった。いつもより、凄く輝いてた」 「幸せそう…?輝いてた…?」 今考えてたの、渡辺さんだけなんだけど。 あっはー!ありえねー! 「それにスキップなんて、初めて見た」 「ん?そうだっけ」 「うん。いいことあった?」 いいことって言われても…。 あ。 ああ、そうか。 俺、今…
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