絶対君を守ってみせる!

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  …俺は今まで、虐めを受けてた子を助けなかった。 何故なら面倒臭いし、それに何より、俺が助けたら、余計その子が嫉妬されるからだ。 それにもしかしたら、注意だけで済むかもしれないし…。 すると、屋上から声が聞こえてきた。 俺は耳を澄ます。 「あんたさぁ…マジうざいんだけど」 「つーか、何様のつもりなわけ?」 「優を一人占めしてんじゃねーよ!」 おーおー。 怖い怖い。 この声は、佳奈と小夜と杏だな。 「もし優をあたし達に返さなかったら…次はただじゃおかないわよ」 あ、麗華もいる。 演技だってわかってたけど、凄い変わり様だなぁ。 っと、そろそろ出て来…。 「…ちょっと待って下さいよ」 「「「…はぁ?」」」 え? 今まで黙っていた渡辺さんが口を開く。 みんなの足音が止まった。 「黙って聞いてれば言いたい放題言ってくれますね。私が、香山先輩を一人占め? ハッ!笑えますね。笑え過ぎて腹筋が割れてしまいますよ」 「…なんですって?」 「私がいつあの人に付き纏いました?私が、いつ、あの人を一人占めしました? あの人が勝手に付き纏うんですよ。ふざけないで下さい」 …えぇー…。 …まぁ、間違ってはいないんですけど。 その言い方は酷い…。 「私は貴方達に香山先輩を返すことが出来ません。私のじゃないですし。 欲しけりゃ勝手に剥ぎ取っていって下さい」 かっ…格好良い…。 と、思わず聞き惚れてしまった。 「…あんた、調子こいてんじゃないよ!!」 「ふざけやがって…!」 ありゃ。 亜矢もいる。 総勢五人、ね。 一年生に対して厳しい世の中になったもんだねぇ…。
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