世界一幸せな君と僕と!

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  街中を歩く二人。 帽子を深く被った男性と、アシンメトリーな金髪の女性。 二人は手を繋ぎ、周りの目など気にせず歩いていた。 とても美しい二人に、周りの人間はみな、心奪われる。 そんな二人に、一人の女性が近付いていった。 「すいません、ちょっと宜しいですか?」 「何ですか?」 「雑誌のアンケートをしているのですが、よければお答えして頂きたいと思いまして…」 男性――ルイナスは、女性――優奈の方を見た。 優奈はにっこりと笑う。 「すぐ終わるなら別にいーよー」 「ありがとうございます。 では早速ですが、お二人はどうやってお知り合いになったのですか?」 「ルイたん、覚えてまちゃかー?」 「覚えてるに決まってるじゃないですか。優奈こそ、忘れてないでしょうね?」 「わっすれる訳無いじゃん!」 優奈はけらけらと笑った。 それにつられて、ルイナスも微笑む。 「コンテストを抜け出して、父さんの部下に追い掛けられてた時にぶつかったのがきっかけですよね」 「あ、そうだったんだあれー」 「コンテスト?失礼ですが、ご職業は?」 「ピアニストです」 女性はペンを走らせ、バインダーに挟まれた紙にいろいろと書いていく。 これがアンケート用紙なのだろう。 「えー、では交際期間は?」 「まだ二年くらいなんじゃない?」 「一年七ヶ月と21日です」 「やだっルイナス最高!素敵!愛してるー!!」 ぎゅーっと優奈がルイナスに抱き着く。 女性は書き込んでいる途中で、ぴたりとペンを止めた。
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