絶対君を抱いてみせる!

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  「有り得ません」 「…え?」 は? え? ん? んんっ? どうしてこんな状況になってしまったのだろうか。 教室は静まり返り、みんながこちらを唖然と見ている。 それは、彼女…渡辺さんが、俺の誘いを断ったからだ。 誘い、と言っても、別にヤらしてくれなんて露骨なことは言っていない。 ただ遊びに行こうと誘っただけだ。 その俺の誘いを、『有り得ません』? はぁああ!? 有り得ねー!! 俺は冷静に、渡辺さんに微笑んだ。 「どうして、かなぁ?」 「体目当てなのがバレバレです。私は絶対嫌です。どうぞお引取下さい」 な、何だ?こいつ。 何様のつもり? この俺が抱いてやるっつってんだぜ? みんな喜ぶのが普通だろ!! 俺は目を潤ませ、子犬のようなつぶらな瞳で彼女を見つめた。 「絶対…ダメ…?」 「絶対です。有り得ません」 こ、こいつ…また有り得ねぇっつった!! 俺は目の前にいる渡辺さんをこのまま犯してやろうかと思いつつ、必死に我慢する。 真っ黒な長い髪を一つに纏め、黒縁眼鏡を掛けた、根暗そうな普通の顔の女の子。 胸だってないし、愛想も格別悪いときた。 俺だって本来なら、てめぇなんか抱きたくねぇよ!! 俺は溜め息をついた。 「…別にヤらなくてもいいからさ、遊びに行こう?ね?」 「嫌です。そんな暇ありません」 っーー!!! …こんなに断固として断られたのは初めてだ。 俺のイライラは溜まる一方で。 「じゃ、じゃあさ、二人じゃなくて複数で行くのはどう?」 「嫌です」 「…どうしたら遊んでくれるの?」 「遊びません」 …。
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