絶対君を抱いてみせる!

3/10
前へ
/292ページ
次へ
  「有り得ません」 「…え?」 は? え? ん? んんっ? どうしてこんな状況になってしまったのだろうか。 教室は静まり返り、みんながこちらを唖然と見ている。 それは、彼女…渡辺さんが、俺の誘いを断ったからだ。 誘い、と言っても、別にヤらしてくれなんて露骨なことは言っていない。 ただ遊びに行こうと誘っただけだ。 その俺の誘いを、『有り得ません』? はぁああ!? 有り得ねー!! 俺は冷静に、渡辺さんに微笑んだ。 「どうして、かなぁ?」 「体目当てなのがバレバレです。私は絶対嫌です。どうぞお引取下さい」 な、何だ?こいつ。 何様のつもり? この俺が抱いてやるっつってんだぜ? みんな喜ぶのが普通だろ!! 俺は目を潤ませ、子犬のようなつぶらな瞳で彼女を見つめた。 「絶対…ダメ…?」 「絶対です。有り得ません」 こ、こいつ…また有り得ねぇっつった!! 俺は目の前にいる渡辺さんをこのまま犯してやろうかと思いつつ、必死に我慢する。 真っ黒な長い髪を一つに纏め、黒縁眼鏡を掛けた、根暗そうな普通の顔の女の子。 胸だってないし、愛想も格別悪いときた。 俺だって本来なら、てめぇなんか抱きたくねぇよ!! 俺は溜め息をついた。 「…別にヤらなくてもいいからさ、遊びに行こう?ね?」 「嫌です。そんな暇ありません」 っーー!!! …こんなに断固として断られたのは初めてだ。 俺のイライラは溜まる一方で。 「じゃ、じゃあさ、二人じゃなくて複数で行くのはどう?」 「嫌です」 「…どうしたら遊んでくれるの?」 「遊びません」 …。
/292ページ

最初のコメントを投稿しよう!

144022人が本棚に入れています
本棚に追加