絶対君を抱いてみせる!

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  「俺、本気なの。んで、無理矢理ヤるのは出来ない。だから君に、俺を好きになって欲しいんだ。 そのためなら、なんだってするよ」 「そうですか。それは楽しみですね」 渡辺さんは椅子から立ち上がり、携帯を床に置いた。 そして椅子を持ち上げ… バキィッッ!! …へっ…。 「それでは私はこれで失礼します。さようなら」 渡辺さんは鞄を持ち、教室を出ていった。 俺は無惨に粉々に砕けた携帯を見て、へなへなと座り込んだ。 ちなみに全部、最近出たばかりの最新機種だ。 …。 「…ふっ…ふっふっふ…」 教室にいた全員が、青ざめている。 でも今は、そんなことなど全く気にならない。 「…ぜってーあいつの処女膜ぶち抜いてやらぁあああ!!」 俺は、半泣き状態になっていた。 「ふーん。それで今日は優等生なんだ?」 「そうなんだよ」 俺は親友である、柴田 蒼(シバタ ソウ)と喋りながら登校していた。 蒼はポッキーを食いながら俺を見る。 アクセもなく、制服をきちっと着こなし、髪は真っ黒、カラコンだって入ってない。 ネクタイだってちゃんと締めてるし、女の子からの誘いも全部断った。 そう、全ては渡辺さんを抱くために! 蒼はぽりぽりとポッキーを食べる。 「なーんかさ。珍しいよね」 「あ?」 「優が一人の女の子のために、そこまでするなんてさ」 「まあ、言われてみればそうだな」 蒼はポッキーを食べる手を止め、こっちを向いた。 俺と同じくらいの身長で、髪と目は青。 死んだような目をした蒼の目が、真っ直ぐに俺を見ていた。 「本気になるよ」 「何が?」 「その子のこと」 俺は、きょとんとした。
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