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すぐさま立ち上がり、黒豹に向かい構える。黒豹もすぐに立ち上がってはいるが、ダメージはあるようだ。まだ少しふらついている。当たり前だ。人間なら死んでてもおかしくないほど蹴ったんだぞ!生きてるだけでびっくりだよ。
再びお互い間合いを取る。ヤツの攻撃は速いが、単調だ。何とかならない事もない。だが、きっちりかわせない以上、こちらにもダメージが蓄積されていく。体力的には向こうが上っぽい。つまり、このままなら負けるな。野生に還った動物がこれ程とはな。
ジリジリと周りを回り仕掛けるタイミングを図ってる。
…来る!
「!?」
ん?何だ?来ると思った瞬間に、耳をぴくりとさせ俺とは違う方向を向く。
何か聞こえたのか?俺には聞こえなかったが…。その辺は動物の方が遥かに優れてるからな。しかし、戦闘中に気をそらす程とは。仲間でも居るのか?
考えていると、自分の状況を思い出し俺の方を睨む黒豹。
だが、明らかにさっきより集中してない。
…そうだな。
俺はリミッターを戻し、構えを解く。戦闘の意思が無い事を分からせる為だ。
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