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男の遺体を地面に置き、俺は更に奥に進む。
歩きながら考えてみる。1つ気になるのは、この男は何故死んで無かったかだ。
動物、さっきの黒豹もそうだが、相手に対して容赦無い。黒豹が俺に向けた殺気は獲物を狩る時のそれだ。もし、男が動物に襲われたなら食い殺されているはず。片腕だけで済ます訳がない。食うのが目的なら尚更だ。
だが、食うより殺すのが目的で狩りをしてる感じがある。何故なら、噛み付くより引っ掻いている数が多かったから。
なら、理由は1つ。邪魔が入った。って事は、まだ誰か人が居るって事だ。
何故?こんな樹海に人が居る?何か変だ。探偵の俺としては、ハッキリしないと嫌なんだよ。でも、好奇心じゃない。何か…ひっかかるんだよな…
「…」
歩いてから結構経つ。が、さっきから気配が着いてくる。
「二人か…?」
俺と一定の距離を保ったまま、等間隔で着いてくる。動物じゃない。人だ。それも、戦闘のプロだな。
何だよ。戦闘のプロも樹海巡りが趣味なのか?変な趣味が流行ってんだな。
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