上手い話にゃ裏がある

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どうも、と会釈し入って来たのは、金持ちそうな30代の女性。背は170センチ位、スラリと細く、髪は少し茶色のセミロング。昔、モデルでもやってたかのような美人。 この事務所には実に不釣り合い(笑) 「どうぞこちらに。」 ソファーに女性を座らせる。 前回壊れたソファーを知り合いに頼んでツケで直して貰ってて良かった! 俺は椅子に座り机越しに質問する。 「今日はどういった御用件で?」 「実は探し物がありまして。」 得てして「探し物」の依頼は意外と難しい。大抵、貴重な物が多い。扱いも大変だし、探すのがまた面倒だし。探偵の言うセリフじゃねぇな(笑) 「探し物?どんな?」 「これです。」 そう言って、女性は立ち上がり、バッグから一枚の写真を取り出し、机の上に置く。 「猫…ですか?」 「はい。」 写真にはなんのへんてつもない、三毛猫が一匹写っていた。 …ん?まぁいいか。 念のため。 「置物じゃなくて、生きてる猫ですよね?」 「?はい。うちで飼ってる猫です。名前をケルベロスと言います。」 猫に付ける名前か?(笑)
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