一章

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 こちらを振り向いた時、彼女の目を直視してボクは返す言葉を失った。  彼女の金色の瞳、その深い瞳の中に吸い込まれてしまった。  再び部屋のなかに沈黙が訪れる。 「どうしたかや?」  彼女が首を傾げる。ボクは慌て言葉を探す。しかし、ボクの口から言葉が発せられることはなかった。  再々訪れる沈黙。  その沈黙は静かな足音によって壊された。
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