一章

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 彼女は遠く一点を見つめたまま、小一時間固まったままだった。太陽が落ち辺りが茜色に染まりはじめた頃、まわりの色と同化したように茜色に染まった顔がふいに動いた。 「起きたかや。」 古めかしい言葉遣いの、美しい声が部屋に響き渡った。
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