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「よぉ、今日は早いじゃねぇか?」
と、僕の背中を小突く『声の主』。
「ん……うわぁっ!?」
そこには思えば幼稚園来の無二の親友、通称『アキ』が半笑い気味な表情で立っていた。
「なんだよ、幽霊でも見たみたいな顔しやがって」
「いやいやいや、何でお前が?」
「はぁ?何でって、ここ学校だぞ?」
学校。
その言葉を聞いてはっとした。
まじかよ……
「夢じゃなかった……」
「何言ってんだ?そんな植えた種をずっと生えるか待ってる幼女みたいに」
「幼女ちげぇよ……ってことは……そうか、神様か……おい、アキ!」
「んぁ?なんだよいきなり」
「俺、神様になったんだぜ!」
言って、
「しまった……」
と、心のなかで呟く。
「おま……そんなキャラだっけか?」
「だよ……なぁ? すまん、さっきの聞き逃してくれ」
「断る」
「……はぁ?」
「だから言ったろう、『断る』と」
「何で断るんだよ!?」
「だって学校一の秀才が妄言だぜ?ぜってぇ話題になるから」
「……勝手にしろ」
「そうさせて貰う」
アキだけ何故か余りにも御満悦な表情でふんぞりかえる。それを横目に、窓に映る街の景色を見た。
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