一日目 昼

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 ……って、ここでのびてても意味が無い!  僕は身体をむくりと起こし、頭に星を飛ばしてる死神を抱きかかえて教室を抜ける。   「どうしよう……」    とりあえず僕は屋上に向かった。別に答えがそこにある訳では無く、ただ何となくだった。  階段を駈け登り、屋上への扉を開く。春独特の生暖かい風が僕らを包んだ。  屋上のなかで人気の無い場所を探し、そこに死神を寝かせる。   「死神さん」 「…………」    僕が呼んでみるも反応をみせず。   「あれ……死神さん?」 「……ムゥ、ん……」    とりあえず意識はあるみたいだ。   「起きてください」 「ふぁ……あっ!」    死神が突然目を覚まし、ガバーッと飛び起きて光の速さで大鎌を僕の首筋にあてた。   「あ、ちょ……」    無論、成す術無く相手の動きを見ることしかできない。   「……貴方でしたか。やれやれ」    彼女はあがった息をなだめるように言って、手に持った大鎌を何処かに消した。   「ごめんなさいね……」 「いっ、いや、大丈夫だよ……」    まあ全然大丈夫じゃ無い訳だが。   「私の寝込みは襲わないほうが良いです……自衛本能が作動して、3日後の前に私が殺すことになるかも知れません」 「は、はぁ……」    言うのおせぇよ。
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