8人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
……って、ここでのびてても意味が無い!
僕は身体をむくりと起こし、頭に星を飛ばしてる死神を抱きかかえて教室を抜ける。
「どうしよう……」
とりあえず僕は屋上に向かった。別に答えがそこにある訳では無く、ただ何となくだった。
階段を駈け登り、屋上への扉を開く。春独特の生暖かい風が僕らを包んだ。
屋上のなかで人気の無い場所を探し、そこに死神を寝かせる。
「死神さん」
「…………」
僕が呼んでみるも反応をみせず。
「あれ……死神さん?」
「……ムゥ、ん……」
とりあえず意識はあるみたいだ。
「起きてください」
「ふぁ……あっ!」
死神が突然目を覚まし、ガバーッと飛び起きて光の速さで大鎌を僕の首筋にあてた。
「あ、ちょ……」
無論、成す術無く相手の動きを見ることしかできない。
「……貴方でしたか。やれやれ」
彼女はあがった息をなだめるように言って、手に持った大鎌を何処かに消した。
「ごめんなさいね……」
「いっ、いや、大丈夫だよ……」
まあ全然大丈夫じゃ無い訳だが。
「私の寝込みは襲わないほうが良いです……自衛本能が作動して、3日後の前に私が殺すことになるかも知れません」
「は、はぁ……」
言うのおせぇよ。
最初のコメントを投稿しよう!