一日目 昼

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「とにかく」    僕は話を本題に移した。   「今まであった経緯を詳しく説明してくれないか?」 「経緯……ですか?」    その言葉に、死神は口を噤んだ。   「簡単に説明するなら……そうですね、精神操作って奴です」 「なるほど……は?」    無論、その言葉に疑問を抱く。   「だから、精神操作です。しかも大規模な。要は、私が昔からこの街に住んでたと記憶に『擦込ん』だんです」 「は……無茶だろそんなの」 「いいえ」    しかし彼女はそれを否定した。   「可能です」    と。   「根拠は?」 「死『神』ですから」    この世はいつから『神様』発言したら何でもまかり通るようになったのか。   「まあ、全ての出来事に対して干渉することが出来る死神は、私くらいなのですが」    と、半ば自慢のように答える。   「なるほど……って、ことは、その能力は俺にも使えるのか?」 「使えますね。ただ……」 「ただ?」 「言い忘れてましたけど、3回目の能力を使えば、優先的に貴方を殺す義務が発生します」 「なるほど……って、はぁ?」    思わず重要なことを聞き逃すとこだった。   「あの……どゆこと?」 「だから、能力を3回使えば2日後じゃなくとも死ぬ訳です」    ってこては……何か能力を1回でめ使えば俺は……死ぬ?   「仮にも、貴方はいま神様なんです。だから殺せないんです」 「気まぐれだな……それは全員なのか?」 「いいえ、今までの人類では、貴方だけ」 「なるほど、選ばれた何とかって奴か」    何だか自棄になってるのが手にとるようにわかる。   「とにかく、能力は考えて使えと?」 「ですね。私にはそうとしか言えません」
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