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彼女の変な問いに、ぼくはしばらくキョトン顔で死神を見ていた。
「それは……どういう?」
「そのままの意味です。あ、でも貴方には選ぶ権利があります。3日後の運命を受け入れて神様になるのか、その運命に抵抗するか……」
「運命に……抵抗? な、何だよ。その選択肢があるなら先に――」
「その場合」
ぼくの言葉を遮って、彼女は続けた。
「わたしと3日間の鬼ごっこをしてもらいます」
「鬼……ごっこ?」
「貴方が逃げて、私が鬼。3日間私から逃れられれば貴方の勝ち。もし、私に捕まれば…………」
死神は口を止めた。
捕まれば…………?
「まあ、仮にも死『神』の私に勝てる訳がないんですがね」
彼女はぼくにはにかんで見せた。
どうせぼくは死ぬのか……?
だったら……。
「わかった」
ぼくはボソッと呟き、手を差し出した。
「その3日後の運命、受け入れてやるよ」
「そうですか。いいでしょう」
「その代わり……その神様の力とやらを使って、一つ叶えたいことがあるんだが」
「?」
彼女は頭にはてなを浮かべ、ぼくの返答を待っている。
意を決して、ぼくは言った。
「その3日間、君はぼくの彼女になる……ってのは?」
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