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「いやいや、怒らないでくださいよぅ。今の貴方は私の彼女であるうえに、あと3回神様と同じ力を行使できるんですから。」
「そういう問題じゃないだろっ!?」
さっきの動揺もあり、だいぶ食った時間を取り戻す為に、口には食パンをくわえたままで着替えにいそしみながら半ば怒鳴るような口調で、学校の準備をしていた。
今の時間は8時5分前。今からダッシュで行っても間に合う時間では無いことは既に知っている。
「しかし……何故人間はそんなに慌ててるんですかぁ?」
「見てわからないのか、学校に遅刻しそうなんだよ。単位もヤバいの。今日遅れたら確実にダブるんだよ」
「へぇ~、人間界って楽しいところなんですねぇ?」
と、納得したかのようにしきりにうなずく。
「ところで、お前はどうするんだ?ずっと家に居るのか?」
「いえいえ。貴方の側にいて、死を見届けるのが私の仕事ですから。」
「そうか。じゃあ、もう出るぞ?」
「了解したですぅ~」
死神はそう告げると、大鎌を力いっぱい持ち上げて空に飛んだ。
「痛っ!」
飛んだものの、ここは青空が彼方まで広がる外では無く、四畳一間のワンルームだったりする。
無論空高く飛べる訳無く、すぐに天井な頭を売って半泣き状態だった。
「あうあ……人間界はこんなに空が狭いんですかぁ?」
「天然過ぎだろお前」
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