降下作戦

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 仲間からの通信が入る。『後ろの群が近い。現在ライフルで応戦中! 気をつけろよ、合流されると厄介だ!』アンナの怒声。  あと少しで、前衛のインスマウスは全滅だ。『分かった、一旦そちらと合流する。群が一つになったところで〈種まき〉だ。接近戦で節約した分、連射モードで蹴散らしてやる!』少尉が応答。 『グレネードの用意も忘れんなよ! 使いどころを間違えて〈お持ち帰り〉はナシだ』そう叫びながらも少尉はダガーを振り回し、ライフルでインスマウスを吹っ飛ばす。 『サムライ! 格闘戦は一旦中止だ。こいつらは後退しながら掃射する。合流させんな、ガンナーに楽をさせてやれ!』 「了解!」長い太刀を使う俺は、後退しながらライフルに持ち替えなければならない。一度、群の深くまで切り込んで、素早くバックステップ。敵との距離が開く。  左手に太刀を持ち替えて、ベイルハンガーからライフルをリリース。出来るだけ低めに構えて、ライフルを横薙に連射する。  人工筋肉で強力にホールドできるが、反動で銃身が跳ね上がり、弾道が上にそれてしまうからだ。前面のインスマウスを後ろに吹っ飛ばし、太刀をスライドロックにホールドする時間を稼ぐ。  轟くバーストモードの連射音。予定通り、後方で銃を構えていたインスマウスごと薙ぎ倒すことに成功。俺は嘲笑うように息を吐く。上出来!
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