降下作戦

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 前方に展開する群に向かって移動を始めた俺達は、斬り込んだ分のスペースを使って側面に回る。移動には厄介な新種植物だが、巨大な木の根は天然の塹壕。窪みで身を隠す事ができるのはありがたい。  装甲騎兵の下半身は強力な機動ユニットだから、地形の複雑さや高低差は易々とクリアできる。  ひときわ太い幹を盾にして、ヘッドセットのマークを頼りに状況確認。左翼から跳ぶ、アサルトライフルの銃火が見える。ガンナーのアンナとショーンだ。 『群の側面にとりついた。ライフルで前面を掃射する! グレネードと携行焼夷弾(ナパーム)を使って群を分断したら、両翼から十字砲火で纖滅だ。タイミングはガンナーに任せるぞ』少尉がライフルを撃ちながら指示。  携行できる武器や弾薬は一般歩兵の比じゃないが、今日の作戦は長丁場になりそうだから、出来うる限り効果的に装備を使いたいと云う訳だ。  流石に指示は的確。長いチームだからこその阿吽。少尉が仲間に寄せる信頼に、自然と頬が緩む。
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