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――ズドン! 束になった触手が床を刻む。舞い散る土煙と破片は目眩まし。バックステップと見せて間合いを詰め、うねる触手を一気に狩る。袈裟懸け横薙ぎ右左。斬り伏せ叩き薙ぎ払う。乱打乱撃乱れ撃ち。体術まじりのトリックプレイ。
ハルピュイア達の死角を飛ぶように走りながら、俺は必死になって考える。
いったい、こいつ等の躯はどんな組成になっているんだ?――まったく異なる種の特徴を併せ持った体躯。
ヒトの上半身に鳥類の胴、爬虫類の前足と頭部。めちゃくちゃもいい所だ。
昔読んだ御伽噺を思い出す。ペガサスやドラゴン、ドワーフやオーク、エルフやフェアリー。
正義の騎士と亡国の王女。悪の魔法使いと森の奥に住む呪いの魔女。
……ハルピュイアだって? 御伽噺の幻獣、様々な動物の骸から合成された化物。〈キメラ〉その物じゃねぇかよ。
カリオストロが使役するには、お誂え向きって訳だ。とことん付き合ってやるぜ! 俺は太刀を握り締め、ハルピュイアの強靭な下肢へと狙いをつける。
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