古代神降臨

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観える! あまりに観念的で感覚的だが、真空の刃が煌めきながら躍るさまが感じ取れる。 「破っ!」 裂帛の気合いと共に鬼切丸を横に薙ぐ。 !!!!!!!!!!!!!! 鬼切丸から伸びる光の刀身。 暗闇を裂きながら真空の刃を次々と粉砕するのが、俺には観える。 まるでガラスが砕けるような、脆い手応え。 しかし、弱っていたハルピュイアは絶叫を挙げながら、巨大な体躯を震わせている。 俺は、瞳をゆっくりと開いた。 周囲には、純白の羽毛が踊るように舞い上がっている。 あちこちから蒼黒い血煙を噴き出しながら、ハルピュイアは叫びを弱々しくくぐもらせ、やがて大きく躯を痙攣させた。 断末のもがきだろう。 舞い散る羽毛の中、俺は次の獲物めがけて暗闇に跳躍する。 俺は、コートに風を巻き込みながら歯を食い縛った。 ……残り二頭!
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