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シュブニグラスの咆哮に怯え、身を竦ませたハルピュイア達は完全に隙だらけだが、俺も踏み込むタイミングを失っていた。
シュブニグラスの歓喜の遠吠え。
幾重にも伸びる触手と襞。
ズルリ。ズルリ。と、耳障りな音を立てて引きずられていくハルピュイアの骸。下腹部の透明な子宮へと吸い寄せられ、絡めとられていく。
女性器のように縦に走った裂け目が大きく開いて、ドロドロと粘液を滴らせる様は、さながら獲物を捕らえようとする食虫植物のようだ。
羊水の中に垂れ下がった子宮や、産み落とされたインスマウス達も、裂け目が左右に広がるにつれて器官の透明な内壁へと押し付けられている。
「キシャアアアアアアッ!」
再びシュブニグラスの雄叫びが轟いたのと同時に、ハルピュイアの骸は裂け目の中へと完全に吸い込まれたのだった。
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