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そして、鉄三は語り始めた。
「“草薙の剣”とその守護者、つまりそれがしは“草薙の剣”にふさわしい者を見つけ出すまで旅を続ける運命を課せられていたのだ……」
(見つけずにずっと旅するつもりだったのだが……)
心の中だけで付け加えた。
「それが何の関係があるんだよ……? わかんね!」
「黙って最後まで聞きなよ。それでわからなかったらその時聞いたらいいじゃない」
勉学への姿勢がここにも現れる少年と少女のやり取りが静まると鉄三は続ける。
「この運命によって、少女が“草薙の剣”を飲み込んでしまったのなら少女を伴って旅をするしかないとそれがしは最初考えたのだ」
神は不機嫌な表情で聞いている。
「しかし、もう1つの道をそれがしは思い付いたのだ」
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