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「もう、1つの……」
呟く愛音をお前も喋ってんじゃんといったふうに神が見ている。
「そうなのだ、それがしたちの旅は“ふさわしい者を見つけ出すまで”のもの……、つまり――」
「この町でふさわしい者を見つければここで旅は終わるってことだね!」
察した愛音は口を挟んだ。
神が彼女を何か言いたそうに見ている。
鉄三は感心したように笑顔を見せた。
「察しがいいのだ! そして、ふさわしい者の条件とは……それがしを倒すこと、だったのだ」
「つまり、神がおたまを倒してふさわしい者になることが、旅の運命を終わらせてワタシがこの町にいられる唯一の方法だった!」
「そうなのだ」
愛音は大いに納得した様子だが、神はもはや心ここに在らずといった様子だ。
鉄三はそんな神の目線の真ん前に行く。
「さぁ、少年……、風間 神、“草薙の剣”を手に取るのだ」
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