初めての気持ち

2/19
前へ
/272ページ
次へ
「ん~今日は天気いいなぁ。絶好の散歩日和だっ」 「そうだね。」 ――日曜日。今日は雲ひとつない晴天。 凛はひとつ下の後輩である君原葵(きみはらあおい)と歩いていた。 葵は凛の小学校からの友達で、唯一心を開ける存在でもある。 癖のある髪をショートにしていてよく話す明るい女の子だ。 今日は動きやすいパーカーにハーフパンツ姿である。 「凛ねえ、あっちでちょっと休もうよ。」 葵がゴールデンレトリバーの『サトル』を引っ張りながら川原を指差した。 こうして毎週、葵の犬の散歩に付き合うのは日課でもある。
/272ページ

最初のコメントを投稿しよう!

245人が本棚に入れています
本棚に追加