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どこか気怠い午後の授業。
目の前の黒板にはアルファベットや数字が並ぶ公式。
凛はあまり理解もしていない計算をノートに埋めていきながらも、その傍らでこっそりスケッチをしていた。
窓から見える青空。
浮かぶ白い雲。
あの雲のかたちは、どう見たっておばあちゃん家の金魚にそっくりだ。
凛は実家で飼われている丸く太った赤い金魚を思い出していた。
わたしもここから抜け出して、空を泳ぐ金魚のようになれればいいのに。
退屈な空間。
無意味に回る時計の針。
欠伸を噛み殺しながら黒板で向き合うみんなも、同じように思うのだろうか。
…――とその時、がらりと教室の扉が開いた。
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