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いつも放課後に行くと必ずあの木に停まっている一羽のカラス。
…―凛はどこか、校庭の木に佇む一羽のカラスに自分を重ねていた。
似ているんだ。
絵を描くこと以外に関心がなくて、周りから変わり者扱いされている…わたしと。
けれどカラスには立派に飛び立てる翼がある。
折れないしっかりとした翼が。
時刻は、そろそろ夕方五時をまわろうとしていた。
と、学校の南のほうにある町役場から音楽が流れ出した。
五時を告げる『七つの子』のメロディだ。
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