紅茶の国のアリス

紅茶の国

「どういう事？」
アリスが不思議そうに首を傾げると男は「いいかい？」と人差し指を立てて見せた。

「皇女さまは優しい。だが自分に興味を持たない奴はとことん嫌うんだ。それはそれは酷いくらいにね。この国を知らないなんて言ったら打ち首だよ打ち首。国を知らなければ皇女さまの事も知らないってわけだろう？普段はあんなに優しいと言うのに、結局はいつも自分が一番なんだよ。」
アリスはふむふむと何度も頷き、男の話が終われば「何て嫌な人かしら」と呟いた。

男はアリスの呟きを聞いて苦笑する。
「そんな事言うもんじゃない。もしも皇女さまに会ったとしたら、ご機嫌を取るようにするんだよ。」
「ええ…そうす「そういえば、お嬢さんの名前は？」

言葉を遮られてアリスは少しむくれていたが(本当に頬を膨らませてむくれていたんだ、本当にね)「アリスよ。」と答えた。