紅茶の国のアリス

紅茶の国

アリスの名を聞いた男は、ほうと言って「いい名前だ、アリス。」と続けた。

「あなたは？」
「正式名称はエリオル。だが大抵の人は僕の事を時計ウサギと呼ぶよ。」
アリスはエリオルの頭から生えた耳と首に提げた金時計を見てなるほどと頷いた。
「私はあなたを何て呼べばいいのかしら？」
「何とでも。エリオルでも時計ウサギでも好きに「じゃあエリーで」…………え？」

好きに呼んでいいんでしょ？とにっこり微笑みながらエリオルを見るアリスはもう一度「よろしく、エリー」と言った。
エリオルの顔が引きつる。