紅茶の国

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やがて誰かがアリスを見つけた。 「もし、お嬢さん。」 「ん………」 男が声をかけようとアリスは身じろぐだけ。 「こんなところで寝ていれば、皇女さまに見つかってしまいますよ。」 それでもアリスは目を閉じたまま。 男は諦めず、また声をかける。 「皇女さまに気に入られれば話し相手としていい暮らしが出来るかもしれませんが…気に入られなかったら大変ですよ。ああ見えて皇女さまは我が儘なのです。いらないものはポイと捨ててしまう。ほら、ほら、お嬢さん。いい加減起きて下さいな。私も喋るのに疲れてしまった。」 ぺし、と男はアリスの頭を叩いた。(そのせいでアリスの髪は軽く乱れたわけなんだけれど、ここは気にしないで話を進めよう)それでやっとアリスは起きたわけだ。 目覚めたアリスは辺りを見て目を擦りながら首を傾げた。 「あら、ここは私の部屋じゃないみたいね。」
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