紅茶の国

6/15
前へ
/17ページ
次へ
状況が掴めず(まぁ寝起きだから頭が回らないのは仕方のないことかもしれないし、何より目覚めたら寝る前にいた場所じゃないなんてそうそうある事じゃないから状況が理解出来ないのにも納得がいくけれど)アリスは自分を起こした男に目をやった。 男は不思議な身なりをしていた。紳士らしき白のスーツに黒のネクタイ、上着は赤。首からは大きめの、金ぴかに光る金時計を提げていた。そして垂れたうさぎの耳が頭から生えている。(男の身なりなんて今の場面で大事なのかと問われると頷くことは出来ないが、それより何より大事なのはアリスが男に躊躇いも無く話しかけた事なんだ) 「ここはどこかしら。私の部屋じゃないの?」 すると男はアリスを見て何と馬鹿げた事を聞いているんだ、というような顔をして答えた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加