1話ヒーローは傍若無人

12/13
前へ
/26ページ
次へ
ガッシャーーン!!と皿の割れる音とともにテーブルが真っ二つになった! セリカとマリアは皿を手に持って難なく交わしたが、クレイの料理は無惨にも床に落ちてしまった。 『次ははずさねえぜ!』 それを見て、セリカとマリアの顔面は蒼白になり、そそくさと店の壁に向かった。 『マズイっすね…。』 セリカは先に避難していたウエイトレスの横に逃げて来ていた。 『そうよ!早くあんたの主人に逃げるように言いなさいよ!殺されるわよ?』 クレイは椅子に腰掛けたまま動かない! 『…よし、わかった!どうやら死にてえらしいな!』 男は剣を振り上げる! 『死ねぇ!』 切っ先がクレイに向けて振り下ろされたその時、クレイが叫んだ! 『雷光、紫電!!』 次の瞬間、男の体に電撃が走り、床に崩れ落ちた。 体から湯気がでて、ピクピクと痙攣している。 『…この雑魚が!!食事を台無しにしやがって!』 このやりとりを見ていた店内の人々はざわついた。 『おい、魔法だ』 『一発かよ』 『詠唱なしだったぜ?』 『貴様等!相手になってやる。かかってこい!』 クレイはリーダー格の男を踏みつけながら指をバキバキと鳴らす。 『う。リ、リーダーのカタキぃ!』 武装集団は一気にクレイへ向けて突撃していった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加