1話ヒーローは傍若無人

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『ったく、無駄な体力を使わせやがって…』 『うぅ、ずびばぜん~。』 セリカは息も絶え絶えである。なにがあったかわからないが。 『ねぇ、クレイお兄ちゃん、町が見えてきたよ。』 運転席に座っていたマリアが振り向いて話しかけてきた。 呼ばれた男、クレイは振り向くと、 『よしよし、よくやったマリア。偉いぞ。』 と言って、マリアの頭を撫でている。 それを見て、 『…。(運転はオートだし、座ってただけじゃん)』 と、心の中で毒づいているセリカであった。
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