目覚めと出会いと響く声。

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「俺は……」      手が伸ばされて壁に追い詰められる。  恐い。コワイ。             「……腹減った。」    ぐるきるるもろきぅー♪       「…っこんのボケ!たった一言のために無駄に人を嚇すな!」 「馬鹿言うなよっ、とりあえず脅して優位を確保するのは動物の知恵だ!本能だっ」 「自分が犬だと暴露して胸張ってるんじゃねえ!この馬鹿犬が!」 「犬じゃない!狼とか熊とか格好良くて強そうなのだ!」     「黙れ、ポチ」      襟をギリギリと力いっぱい絞めあげながら、これ以上ない程の笑顔で言い放つとみるみるうちに真っ青になっていく。  面白いので眺めていると泡を噴いたので放り出した。  しばらくは静かだろう。    
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