甘奈

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「…火影って… あたしのお父が!?」 甘奈はしゃがんでヨウに近づき尋ねる 「ああ でも先代火影はある日突然に遺書を残し姿を消したんだ そして火影の妻、現在の火影である柊様に子が授かっており それが甘奈なんだ」 甘奈は今まで何も知らなかった父や母の事を聞いて 頭の整理ができずにいた 「…でも…… お父とお母はあたしが小さい時に殺されたんだ… あの窮地に…」 甘奈が声を震わせ言った 「誰に聞いたか知らんが… 先代火影が亡くなったのか真実は未だにわからんのだ だが先代火影の遺言があったんだ そこにはこう書いてあった 《私のかわいい娘甘奈が産まれたら安全な村で一人きりにして欲しい 甘奈は昔から不思議な力がある そのせいで村の人に避けられるかもしれん だかその時は一人で生きる強さを身につけて欲しい 強い娘に育って欲しい そして甘奈が15になった時には忍として育てて欲しい 甘奈は有能な忍びになるのは間違いない 五代目火影 野月 秀蔵(ノヅキ シュウゾウ)」 ヨウが話終わったとき 甘奈は涙が止まらずにいた 母が生きていること 父が甘奈に望む事を知ったのだ でも一つ疑問が浮かんだ 「どう…して… 母はあたしを育てなかったの?」 10歳になるまで村の人に嫌な思いをしながら育ててもらい 自分で色々と出来るようになると追い出され ボロ屋で一人で暮らす日々 急に母へ怒りが溢れた 「……甘奈 火影はお前が生まれて今までずっと迎えに行きたくて日々苦しんで居られる だか初代火影との約束を破る訳に行かずにいるのだ だが今15歳になった甘奈に一番に会いたいのは 火影なんだよ」 「っうっ……うぅ…」 「しかし一人前の忍にならなければ会うことはできない」 「なっなんで!?」 顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにして言った 「それは火影に会うには忍である者しか会えないのが木陰の掟だからだ」 「そんな…」 「早く会いたいのなら死ぬ気で訓練しろ 俺たちがついている」 ヨウはそう言って着物の袖で甘奈の顔を拭き取った 「うぅ…ぐじゅっ あたっし…頑張る!!」 この日からヨウのスパルタの特訓が始まった…
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