12、冬景色

1/3
前へ
/33ページ
次へ

12、冬景色

未だにアジトを探し続ける。頼りになるのは、ライターの灯りとサーフィンボート。そして、吾郎の記憶だけ。4人はとうとう無言になり、暗闇の中4つの灯りがゆっくり動いているだけ。そして、白い息だけが闇に消える…。 木村『あ~見つかんねーな~。』 剛『ホントどこだよ、サーフィンボート…。』 吾郎『…さむい…。』 中居『雪、降ってきたな…。』 4人はふっと夜空を見上げた。星が輝き、雪が降る。潮風が頬に触れる。 しばらく、沈黙が続いた…。 剛『……!!。今僕、ボーっとしてた。』 木村『…俺も…。しっかりしなきゃな。慎吾が待ってるし。』 中居『…な。』 剛『…中居君、肩の怪我大丈夫なの?』 中居『大丈夫だよ。かすっただけだって言ったろ?大丈夫だよ。』 剛『そう。なら良かった。』 吾郎『…だんだん寒くなってきたね。』 木村『ったく、アジトどこだよ…。』 肩に積もった雪をはらいながら言った。 中居『…まっ、文句言っても仕方がないし、とにかく探さなきゃ。』 吾郎『うん。それしかないね。』 剛『…探そっ!!』 4人はまた探し始めた、季節はずれのサーフィンボードを。 ふっと風が吹いた時、一人の男の目の前を何かが横切っていった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加