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12、冬景色
未だにアジトを探し続ける。頼りになるのは、ライターの灯りとサーフィンボート。そして、吾郎の記憶だけ。4人はとうとう無言になり、暗闇の中4つの灯りがゆっくり動いているだけ。そして、白い息だけが闇に消える…。
木村『あ~見つかんねーな~。』
剛『ホントどこだよ、サーフィンボート…。』
吾郎『…さむい…。』
中居『雪、降ってきたな…。』
4人はふっと夜空を見上げた。星が輝き、雪が降る。潮風が頬に触れる。
しばらく、沈黙が続いた…。
剛『……!!。今僕、ボーっとしてた。』
木村『…俺も…。しっかりしなきゃな。慎吾が待ってるし。』
中居『…な。』
剛『…中居君、肩の怪我大丈夫なの?』
中居『大丈夫だよ。かすっただけだって言ったろ?大丈夫だよ。』
剛『そう。なら良かった。』
吾郎『…だんだん寒くなってきたね。』
木村『ったく、アジトどこだよ…。』
肩に積もった雪をはらいながら言った。
中居『…まっ、文句言っても仕方がないし、とにかく探さなきゃ。』
吾郎『うん。それしかないね。』
剛『…探そっ!!』
4人はまた探し始めた、季節はずれのサーフィンボードを。
ふっと風が吹いた時、一人の男の目の前を何かが横切っていった。
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