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『すまなかったな吾郎。ずっとお前に会えないまま、連絡すらしなくて。』
吾郎の父親は、申し訳なさそうにつぶやいた。
『いいよもう。会えなくても、生きてさえいてくれれば、それで。』
吾郎は4人の視線を全く気にせず、電話を片手に嬉しそうだった。
しかし嬉しそうな表情が一瞬、険しくなった。
『でも…なんで今になって電話ができるようになったの。今までは、電話すらできなかったのに…。』
『…それは…お前がアイツらによって危険な目に遭わないために、日本から出て連絡もできなかったんだ。しかし、アイツらが捕まった今は、もう大丈夫だ。お前と自由に連絡が取れるし、近いうちに日本へ帰れるはずだ。』
『…ホントに!!父さんに会えるの。』
吾郎のその言葉に、4人はびっくりした。
『あぁ今、日本に帰る手続きをしている。もう危険な事が起こらないって事が、確認されたらだがな。』
『そっか…待ってるよ父さん。父さんの拳銃と一緒に。』
『まだ持っててくれたのか、俺の拳銃。』
『そりゃ持ってたよ。大事な拳銃だから。』
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