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職場に着くと上司はポメラニアンのように僕の欠勤を指摘した。
よく見ると彼のまつ毛は長い。
午前中は書き物をし、昼休みに病院に向かった。
午後の勤務時間が始まると僕は上司に書類を渡した。退職届けと診断書だ。
『僕は有給を使った後退職します。今までありがとうございました。』
上司は金魚のように口を開けたり閉めたりしていた。
言葉が帰ってくる前に僕は仕事場を後にした。
退職に関する処理があるだろうが、もうそれ以外で彼と再会することはないだろう。
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