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タカシの車は込み合っている車を尻目に路地を縫うように走っていった。
『やっぱり都会は車が多いな。』
『今日は空いてるほうだよ。』
僕には車が多すぎてすべてが渋滞に見えた。
しばらくすると、車をパーキングに停め歩くことになった。
ちょっと古びた店に着くと『ここはパスタがすごくうまい。ただマスターがちょっと変り者だけど。』
店に入ると昼間なのに薄暗くランプのような照明に照らされていた。
『いらっしゃい。』
どこかで見覚えのえる顔だった。
喫茶店の髭の男にそっくりなのだ。
『なあタカシ、あのマスター兄弟とかいるのかな。』
『聞いたことないな。マスターは口数が少ないから。とりあえず何を食べるか決めよう。』
メニューの中から僕はシーフードのトマトソースを、タカシはカルボナーラを頼んだ。
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