宣告

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診察室で先生は僕に向かって説明を始めていたが、途中から音を消したニュースのようにただ口が動いていた。 僕の耳には聞こえていたのかもしれないが脳が理解することを否定していたのだろう。 その日の夜に医者の言っていたことを思い出した。 僕の歳ではめずらしいらしいが膵臓癌らしく、かなり進行しており手の施しようがないらしい。 僕は今の現状を理解できそうだが理解したくない… その状況のまま窓の外では夜が明けようとしていた。
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