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「亜優(アユ)」
「なに?」
私は笑顔で彼に近寄った。
少しでも顔を引きつらせていると、それは暴力に繋がるから。
「ビール。持ってこい」
「待ってて、持ってくるから」
無い。だなんて言えない。
でも、無いものは無い。
「……ごめんね、雷(ライ)。ビール、無い……」
ほら、こう言うと貴方はすぐに起き上がって私を睨む。
いつも寝転がってだらだらしてるくせに、こんな時だけ素早いのね。
「はあっ!?なんで無いんだよ!!わかってたんなら買っとけよ!!」
買っとけ、って。
昨夜貴方が飲み干したんじゃない。
今日、私が買おうと思って出かけようとしたら「浮気する気だろ」って言って腕を掴んで私を押し倒して頭を打ったにも関わらずレイプ同然に抱いたのは貴方じゃない。
私のせいじゃないのに。
また、殴られる。
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