私はバイ寄りのレズビアン

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今考えると初恋だったのだろうか。私は高校2年生の時、クラスの女友達を好きになった。 ふわふわとした小柄なその友達は、私の中学生からの親友。誰よりも言葉を交わし、誰よりも笑いあって。そして誰よりも大切で。 ずっとこころは彼女を見ていた。 ****** 私は中学校から女子校に通っていたせいか、男友達はいなかった。進学する度に男子が怖くて、いつしか自分で殻を作っていたんだろう。でもきっと恋をするなら男性が相手。いつか結婚して、子どもを産んで……。 夢ばかりが私の周りを取り巻いていた。 細川はクラスの中でも静かな子。友達の事は苗字を呼び捨てにしていて、私には不思議な感じだった。 「私は細川真奈。細川って呼んでね。えーと…」 中学校に入って、はじめて出来た友達に紹介された際 少し人見知りながらも、細川は柔らかく微笑んで挨拶をしてくれた。 「五十嵐沙恵。五十の嵐でいがらし。よろしくね細川」 気恥ずかしい、初めての苗字呼びだった。
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