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ある森の中。
二人の姿がある。
网菜が地面にざくっと十字架を刺した。
すると陣が現れる。
「準備は出来たぞ。さっさとやれ」
网菜はめんどくさそうに頭を掻く。
陽飛は心を落ち着かせた。
『迷える魂よ…』
陽飛が唱えると陣が赤く光だす。
『死をして迷える魂よ…。我、そなた達を運ぶ者』
赤い光がいっそう強くなる。
すると何処からか黒い鳥が現れた。
その鳥は十字架の周りを飛び回っている。
『十字架に心を託し、休まれよ…』
黒い鳥は十字架にゆっくりととまる。
それを网菜がそっと鳥籠に入れた。
光は消え失せ、陣もまた消えた。
「ふん。初心者にしては上出来だ。
それにしても、一番最初の魂が罪人のとは…近々不幸な事でも起きそうだな」
网菜は悪い笑みを浮かばせる。
陽飛ははぁ~と息を吐く。
「あんたが言うと本当になりそうだから辞めてくれ」
「不幸を呼ぶ女とでも?」
「そうだよ。冥界戻るぞ」
二人が消えた後、一匹の狼が現れ、ギラギラした眼で陽飛達がいた所を見ていた。
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