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病室。
白いベットに横たわるのは八才の少年だ。
「このガキだな」
少年は聞き慣れない声を聞いた。
ゆっくりと目を開ける。
「あぁ。あともって二日だそうだ」
また聞き慣れない声が響く。
かすかに首を横に向けると黒い男と白い少女が見えた。
その手には大きな鎌。
「ん?」
陽飛は視線を感じ、少年を見る。
瞬くことなくじっと陽飛と网菜を見ている。
「おい、网菜…。このガキ、俺達が見えてるみたいだが…」
「死ぬまぎわの人間には死神が見える」
网菜が言った言葉に少年が反応する。
「死神……?」
か細いく弱々しい声だ。
「…あぁ、そうだ。ごめんな…。今からお前の魂を狩るけど…」
少年は首を傾ける。
「何で謝るの?」
陽飛は返答にとまどった。
「いや…その………」
「いいよ。狩って…。どうせ死ぬもん……」
「ごめんな…」
陽飛はもう一度謝って、少年の首に鎌を当て軽く引く。
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