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こんな大きな狼はこの世にはいない。
『ソウルハンターていう空腹を知らねぇ狼……』
荼清の言葉を思い出す。
「なるほど、俺を喰う気だな…。でも倒していいのか…?」
さっと鎌を構える。
陽飛は数珠に気が付いた。
『网菜、ソウルハンターって殺っていいのか?』
返事はすぐに帰ってきた。
『そいつらは幽界の者…倒す敵だ。
現にそいつらに死神が何人も喰われている』
すると狼が襲いかかって来た。
反射で鎌を振る。
狼はそれを避けた。
暫く睨み合い。
この狼は网菜が消えるのを待って出てきたのだろう。
「俺よりあいつの方がうまいと思うんだがなぁ。兎も角ここを出よう」
陽飛が部屋を出ようとした時、なんと狼は少年の体にずるずると入ってしまった。
少年の体が病室から消えるのはヤバい。
だが、実体がある者を陽飛には斬れない。
『おい!网菜!狼の野郎、ガキの中に入りやがった!!』
『そういう時は相手の胸めがけて、霊力を叩き込め。
バクカイ
縛解だ』
少年がとびかかる。
陽飛は霊力を手の平に集め、少年の胸に叩き込んだ。
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