死=死神

4/5
前へ
/330ページ
次へ
死人、しかも魂の状態の奴になにが出来るのだろうか。 そう考えている陽飛に男は、ずいっと色褪せた紙を押し付けてきた。 陽飛は黙って紙を受けとる。 「それに血印しろ」 「はぁ?」 「いいからさっさと血印しろ。これで…」 男は陽飛の足元にナイフを投げた。 まったく唐突な話である。 紙に書かれている文字を読もうとしても、変わった文字で書かれていて読めない。 「誰が素直にこんな怪しい紙に血印するかよ」 その言葉を聞いた男は眉間にしわを寄せた。 「俺は忙しいんだ。 早く済まして別の場所へ行かなければならない」 「んな事俺には関係ないだろ。 訳を知らんもんに易々と印がおせるか」 紙とナイフを男に返し、後ろを向いた時、陽飛の親指に痛みがはしった。 そしてその親指に何か押し付けられた。image=177537078.jpg
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1208人が本棚に入れています
本棚に追加