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やさしいご主人やお父さんとお母さん、たくさんの兄弟に囲まれて毎日いっぱい遊んだ。 ぼくらの体がすこし大きくなった頃から兄弟は一頭ずつ知らないだれかにつれて行かれて帰ってこなくなった。 そしてぼくも―――― 『この子ですか?』 『はい、そうなんです。健康だし気性も優しいいい子ですよ』 なんだろう?ご主人となにかはなしてるからテキじゃないみたい。イヤなニオイもしない…。 ぼくはしらない人にだきあげられて、しかくいものにのせられた。これ、お父さんからきいたぞ。クルマっていうコワイやつだ。 なんだこれ?すごいスピードでうごいてる…! …ゆれてきもちわるい。 ガマンできなくなって、ぼくはクルマに朝ゴハンをはきだした。 …まわりのニンゲンが大きな声をだしたのにびっくりしてぼくも大声でほえた。 〈――子犬を乗せた車内は絶叫と犬の遠吠えがこだまし阿鼻叫喚の様相となった――〉
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